日本人のメンタリティとしては許容され難い話だろうが、あらゆるものを変えるために。

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 随分大それたテーマだなと感じることはあるが、何が
必要とされているのかといったことを考慮すると、早い
か遅いか程度の違いしかないだろうと考えることがある。

 1977年、ICRP勧告第26号で採用されたLNTモデルには
色々と議論があり、例えば、2004年にNational Academy
of Sciencesに含まれるthe United States National
Research Councilは、ホルミシス効果が有害な影響を上
回る有意な健康上の便益をもたらすといった仮説を保証し
ないことを示しており、そのことがアメリカのwikipedia
に記述されている(こんなことを言うと孫引きは良くない
とお叱りを受ける気がすることもあるが..)。

 他方、2005年にAcadémie des SciencesとAcadémie
nationale de Médecineが公表すると同時にBEIR VII
reportが示したことだが、LNT仮説は10mSv以下の被曝に
対する放射線防護における評価基準にとって実用的なツー
ルになりうるが、生物学的概念に基づいていないため、
10mSv以下の被曝に関連したリスクを外挿によって評価す
ることやthe European directive 97-43を通じ放射線科医
に課される便益リスク評価に対して注意なしに用いられる
べきではないといった議論も前述のwikipediaに記述され
ている。

 そして低線量被曝が問題になっているが、晩発性障害の
危険性を広島で被爆者治療にあたられた肥田さんが指摘し
ており、慢性疲労症候群、ぶらぶら病に対して為す術がな
かった現状を様々なところで語っており、放射線医学が原
子力工学同様、国策の影響を多分に受けている危険性を抱
えていることを示している(福島の子供は大丈夫だろうか
といった問題意識は前述のような低線量被曝における議論
と学界が抱える闇が問題になっているからだろうと考える
ことがある)。

 毎日新聞によれば東電の損害賠償スキーム案は原発賠償
機構に対して電力会社の負担金、金融機関の融資、国の交
付国債が組み合わさった形で示されており、電気料金の値
上げを含むものであるとの報道がなされているが、国の在
り方といった構造そのものが変わらない限りは今後も問題
は続いていくだろうと考えることがあり、それ故の失われ
た20年ならぬ30年といった状況を経験することにも繋がる
ことがあろうかと考えることがあった。

 そしてObamaはCBSの60 Minutesの中で、I did not run
for office to be helping out a bunch of fat cat bankers
on Wall Streetと言ったが、「財務、経産、メディア、電
力会社を含む企業群、そして御用学者を含む学界といった
太ったどら猫を助けるために立候補した訳ではない」ぐら
いのことを語る候補者を許容する民意といったものが現在
求められているのだろうと考えることがあった。

 健全な社会の発展を阻害しているものが1つ1つ明白にな
りつつあるが、それを克服するためには全てを変えるしか
ないだろうといったややラディカルな見方に立つことの背
景は上記のようなことになろうか、いずれにせよ求められ
るものは幅広く徹底した議論であろうとの考えに変わりは
ない。

 乱筆失礼、明日もがんばろう。

 では。

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2016・11・15 改訂
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この記事について

このページは、Suzuki TakashiがApril 25, 2011 4:41 PMに書いた記事です。

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